<密約>藤山・マッカーサー討論記録 政府「不公表」答弁書(毎日新聞)

 政府は、1960年の日米安保条約改定時に「核搭載艦船の寄港・通過」の事前協議制を巡って藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使が交わした「討議の記録」(討論記録)を「文書自体は不公表とすることとして両政府の間で作成された合意文書」と位置付ける答弁書を決定した。質問主意書を提出していた共産党の志位和夫委員長が31日、記者会見で明らかにした。

 討論記録には「事前協議は、米艦船の日本領海や港湾への立ち入りに関する現行の手続きに影響を与えるものとは解されない」と記されている。外務省の有識者委員会は討論記録の存在は認めたが、日米間の解釈のずれを理由に密約性は否定した。これに対し、答弁書は藤山外相とマッカーサー大使の「共通の理解を記録するため」と踏み込んだ。

 同党の不破哲三前議長は30日、核持ち込みは「(事前)協議の定式の対象にならない」と米側が藤山外相らに説明したことを示す米公文書を公表した。これを踏まえ、志位氏は「政府は討論記録を密約と認めた。米側の理解こそが日米間の『共通の理解』だった」と指摘した。【中田卓二】

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スタチン系6成分などの添付文書改訂を指示―厚労省(医療介護CBニュース)

 厚生労働省は3月23日、スタチン系薬剤全6成分の添付文書の「重大な副作用」に、間質性肺炎が出現することがあるため、長期投与でも発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部エックス線異常などが認められた場合、投与を中止し副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うことを追記するよう指示した。

 改訂指示の対象となったのは▽アトルバスタチンカルシウム水和物▽シンバスタチン▽ピタバスタチンカルシウム▽プラバスタチンナトリウム▽フルバスタチンナトリウム▽ロスバスタチンカルシウム―の6成分。また、アトルバスタチンカルシウム水和物とアムロジピンベシル酸塩の配合剤も改訂の対象に含まれている。
 同省によると、2006年4月から3年間で因果関係を否定できない間質性肺炎の副作用が7例報告されている。

 このほか、気管支ぜん息の治療に用いられるロイコトリエン受容体拮抗剤モンテルカストナトリウム、プランルカスト水和物、ザフィルルカストの3成分について、投与に当たり患者の状態を十分に観察することなどを、添付文書の「重要な基本的注意」に追記するよう指示した。
 同省によると3成分のうちモンテルカストナトリウムを投与した患者に06年4月から3年間で、因果関係が否定できない自殺念慮の副作用報告が1例あった。ほかの2剤については報告がなかったものの、海外でザフィルルカストを投与した患者でうつ病を含む精神症状が報告されているという。

■統合失調症治療薬40成分、「重要な基本的注意」に追記
 また、統合失調症治療薬40成分について、「重要な基本的注意」の項目を改め、肺塞栓症や静脈血栓症など血栓塞栓症が報告されている現状から、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態など危険因子を持つ患者に投与する場合に注意するよう指示した。

 今年2月に欧州で行われた統合失調症治療薬に対する添付文書の改訂を受け、同省は国内の統合失調症治療薬について、06年4月から3年間の副作用報告状況を調査。因果関係が否定できない副作用報告はなかった。

 40成分のうちリスペリドンについては、麻痺性イレウスに関して国内で因果関係の否定できない副作用報告が06年4月から3年間で2例あったため、「重大な副作用」の麻痺性イレウスの項目をほかの薬との併用による副作用発症の可能性を示した従来の記載から、「本剤の使用で発症する可能性がある」との内容に改めるよう指示した。


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後発品情報を提供する新システムの運用、4月から開始(医療介護CBニュース)

 日本ジェネリック製薬協会は4月1日から、同協会の会員各社が保有する後発医薬品の安全性や品質、先発品から後発品に変更した場合の患者負担差額などに関する情報を同協会のサイトを通じて医療関係者に提供する「ジェネリック医薬品情報提供システム」の運用を開始する。

 同システムは医療関係者向けと一般向けに分かれている。
 医療関係者向けのシステムは「情報提供システム」と「文献検索システム」があり、医療機関や薬局で後発品の処方や患者への説明などを行う際に必要な情報を提供する。
 「情報提供システム」では、同協会のサイト上で医薬品名を入力すると、対応する後発品が表示される。表示されたもののうち資料請求したい製品名にチェックを入れることで、複数の企業に同時に資料請求ができる。請求が可能な資料は添付文書や生物学的同等性試験の結果などで、これらの請求情報は会員企業に送信され、各企業の担当者が該当する資料を同協会のサーバー上にアップロード。医療関係者はアップロードされた資料を個人の専用ページでダウンロードするか、郵送によって情報を入手できる。情報請求から入手までは半日から数日以内としている。先発品と後発品のそれぞれの薬剤費や患者負担額と、その差額を計算して表示する「製品選択型負担差額計算機能」も備える。
 また、「文献検索システム」では、国立医薬品食品衛生研究所のジェネリック医薬品品質情報検討会で評価を行っている文献や学会報告などを検索し、文献の概要などを表示する。

 一般向けのシステムは、検索者の処方されている先発品の製品名や規格、一日の服用量、処方日数を入力することで、後発品へ変更した場合の薬剤費や窓口負担の差額を表示する。

 同協会によると、後発品の情報提供については「MRが少ない」「製薬企業のホームページのフォーマットが違うため、分かりづらい」などの声が医療機関側から上がっていたという。
 これに対して同システムは、▽請求者が複数社の複数の情報を一括して効率的かつ短時間に収集することができる▽提供する情報は会員各社が用意することから、同協会のサイトに大きなデータベースが必要ないため、システムの維持・管理が容易で最新の情報を用意できる▽MRの少ない会員企業にとって医療関係者が求める情報を適時、的確に提供することができる―などの特徴がある。

 国は後発品について、2012年度までに数量ベースシェア30%の目標を掲げているが、昨年9月時点で約20%にとどまっている。同協会は、システムを通じて情報提供を強化し、さらなる後発品の使用促進につなげたい考えだ。


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核密約資料、後任に引き継ぎ=衆院外務委の参考人質疑で東郷氏(時事通信)

 東郷和彦元外務省条約局長は19日午前、衆院外務委員会の「密約」問題に関する参考人質疑で、1960年の日米安全保障条約改定時の核兵器搭載艦船の一時寄港をめぐる密約について、関連資料をファイルにまとめ、後任の条約局長の谷内正太郎元事務次官に引き継いだことを明らかにした。
 東郷氏は「国会答弁と実態に大きなかい離があり、いずれこのままでは済まなくなると考えた」と語った。
 また、元毎日新聞記者の西山太吉氏は、沖縄返還時の核持ち込みの「合意議事録」を外務省有識者委員会の報告書が「密約に当たらない」とした判断について、「そういう見方は誤認だ」と批判した。 

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広末涼子さんが追突事故=乗用車に、けがなし−東京(時事通信)

 女優の広末涼子さん(29)が東京都世田谷区で乗用車を運転中、追突事故を起こしていたことが19日、警視庁北沢署への取材で分かった。前方不注意が原因とみられ、けが人はないという。
 同署によると、広末さんは同日午前8時25分ごろ、世田谷区大原の都道で乗用車を運転中、交差点手前で右折レーンに車線変更しようとしたところ、信号待ちをしていた男性会社員(40)が運転する乗用車の右後部に追突した。 

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【月と太陽の物語】富士山 「日本一」光と角度で堪能(産経新聞)

 平野に孤立し、広大な裾野から天を衝く頂まで、優雅なカーブを空に浮かび上がらせる。なぜ「日本一の山」なのか、ひと目見れば理解できる。

 富士山が大好きだという人は多い。富士山だけを、さまざまな角度から撮り続けているカメラマンもまた多い。

 試しに、富士山を撮影してみる。すると、一定の場所にカメラマンが集まっていることに気付く。一様に腕時計を気にしている。

 富士山を美しく撮ることができる場所は、ロケーションだけでは決まらない。夕日、朝日、月の出など、光の具合も重要要素だ。このファクターはわずかな時間で変化する。で、カメラマンは数秒ごとに時計をのぞくことになる。

 富士山撮影のなかでも有名なのは、「ダイヤモンド富士」だ。富士山の頂上と太陽が重なり、さながらダイヤモンドの輝きのように見える光景を指す。

 山中湖(山梨県山中湖村)を見下ろすロケーションで富士山撮影にも人気のあるパノラマ台。ここでは「ダイヤモンド富士」に出合える日が年に数日間だけある。その日、その時間に、雨や曇りなら、また1年間待たねばならない。今回、大切な瞬間は、快晴に恵まれた。

 太陽が頂上に差し掛かり、山中湖に向かって富士山の影が伸びる。頂上がきらりとひかり、約3分間の「ダイヤモンド富士」を堪能できた。夕焼けに染まる富士、富士の夜景、月明かりの富士山を、心ゆくまで楽しむ。

 静岡県御殿場市の夜景と富士山と月を狙いに移動するが、頂上と重なる時間は雲に阻まれてしまった。翌朝、再び、パノラマ台で富士山を朝日が赤く染める「紅富士」に出合えた。

 別の日に、東京湾を挟んで千葉県から富士山と夕日を狙う。春がすみの空では富士山の姿が分からない。しかし、夕日が頂上に近づくと、シルエットになった富士山の頂上部分が見分けられるようになった。強風で頂上に吹き飛ぶ雲が見える。あっという間に「ダイヤモンド富士」の時間が終わった。

 太陽が裾野を転がるように撮影したり、湖面に映る富士山もダイヤモンド富士となる「ダブルダイヤ」や、月と富士山の頂上が重なる「パール富士」など、撮影者の挑戦魂をくすぐってやまない撮り方がある。

 だから富士は、日本一の山なのである。(写真報道局 山田哲司)

                   ◇

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渋谷の路上で首にはさみ刺す クラブでトラブルか(産経新聞)

 15日午前4時55分ごろ、東京都渋谷区宇田川町の路上で、通行人から「人が首を切られた」と119番通報があった。警視庁渋谷署によると、男性介護士(31)が男に首の左側を刺されており、重傷を負った。男は逃走し、同署は殺人未遂事件として捜査している。

 同署によると、2人は近くのクラブで開催されたイベントに参加しており、店内でトラブルになったとみられる。路上で口論を始め、男が突然、男性をはさみで刺したという。はさみは近くの路上から見つかった。

 逃げた男は25歳くらいで、身長約180センチ。がっしりした体形で、黒の短髪という。

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<日教組>委員長が「政治活動は必要」 北教組事件に絡み(毎日新聞)

 日本教職員組合の臨時大会が15日、東京都内で開かれ、中村譲委員長は北海道教職員組合の違法献金事件に絡み「法令順守の徹底は必要だが、政治活動は必要」と述べ、今後も選挙での推薦候補の支援などを続ける方針を明らかにした。

 中村委員長は違法献金事件について「政治とカネの問題が国民に政治不信をもたらしており大変残念」と述べた。一方で教職員の政治活動の違法性が国会で議論されていることに対しては「教育公務員の労働条件向上が法制度の改善で行われる以上、要求実現に政治活動は必要。政治活動が許されないかのような議論は全くの誤り」と批判した。

 大会後に記者会見した中村委員長は「教員の学校での地位利用はいけないが、市民としてなら政治活動を認める世界や時代の流れがある」と述べた。【井崎憲】

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東京大空襲 65年、遺族「最後の節目の日になるかも…」(毎日新聞)

 東京大空襲から65年を迎えた10日、遺族らでつくる「東京空襲犠牲者遺族会」(星野弘会長、会員約800人)も結成から10年目の節目となった。会員の平均年齢は80歳を超えて高齢化が進む。一方で、空襲で失われた地域のつながりをようやく取り戻す人たちもいる。東京都墨田区の都慰霊堂で開かれた「春季慰霊大法要」(都慰霊協会主催)に出席した遺族会員の無職、望月謙一郎さん(82)=大田区=は「平和を続けてもらいたい」と花を手向けた。

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 望月さんの両親と当時14歳と3歳だった弟2人は空襲で死亡した。家族4人の遺骨は見つからず、無縁仏として慰霊堂に眠る。17歳だった望月さんは五反田の軍需工場にいて無事だったが、孤児として生きた戦後のひもじさが忘れられない。

 5年ほど前の3月10日。慰霊堂で遺族会のビラを手にして入会。翌年の遺族会総会会場で、遺族が描く空襲画展に足を止めた。生まれ育った「石原町」(現墨田区)や、家族4人が避難した二葉小学校の惨状を描いた絵だった。吸い込まれるように絵に見入った。

 作者の堀切正二郎さん(84)=埼玉県草加市=は「熱心に見ている人がいる」と思い、声をかけた。「糊(のり)屋のショウちゃんだよ。望月のケンちゃんかい?」。約60年ぶりの再会だった。

 2人が子供時代育った自宅は、わずか30メートルしか離れていなかった。繊維業を営んでいた望月家は、糊販売業の堀切家で糊を毎日買っていた。2人は相撲やベーゴマでよく一緒に遊んでいたという。

 その後も交流が続き、空襲画や講演で平和を訴え続ける堀切さんに背中を押され、望月さんは昨年8月に初めて空襲体験について講演した。それまで、家族を捜して焼け野原を歩いたあの日の記憶は誰にも語らずに封印していた。「ずっと重い荷を背負う思いだった」。堀切さんとの出会いがその荷を下ろしてくれた。「戦争反対とただ叫んでも意味がない。戦争経験者は体験を伝え、未経験者は聞くことで平和が続いてほしい」。今はそう思えるようになった。

 望月さんは10日、法要の1時間前にグレーのスーツに茶色の帽子姿で会場に到着。慰霊堂の周りを1周し、「65年前とは様変わりしたなあと感じた。慰霊堂の脇の池で弟らとトンボを捕ったり、魚釣りをして遊んだことが目に浮かんだ」とかみしめるように語った。

 遺族会は地区ごとの交流会を30回以上開いてきた。大空襲以来の再会を果たす遺族や、心にしまい込んできた体験談を語り始める人が増えている。星野会長は「遺族にとって残された時間は少なく、今日は最後の節目の日になるかもしれない。遺族の思いを今後も次世代に伝えていきたい」と話した。【森禎行】

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